第4話ぼくと屋台
夕方になると西成は
「おう、ボウズの来るとこちゃうぞ」
そう言って日本酒をぶっかけられた時は
「兄ちゃんら若いな」
積極的に話しかけて来る労働者は多い。僕達は高校中退で通した。中学生であるが。僕の屋台のお気に入りは焼きそばだ。ホルモンといかにも安そうな麺と濃いお好み焼きソースで200円である。本来ならビールや缶チューハイで一杯やるのであろう味付けであるが僕は我慢して完食した。ドヤ街の
「1泊700円」
の看板がぼんやりと夜の西成に馴染んでいる。聞くところによるとドヤを決めてから食事の為に街に繰り出すという。当時は好景気で、西成にも活気があった。しかし混沌とする西成の闇が本能を刺激して夜の8時までと徘徊する時間を決めたのだった。そんな時、西成で出会った店が「
「もう慣れたから」
女の子は気も使わずテーブルを拭いていた。西成では普通の出来事なのでさして問題にしない。粉々になったガラスが散乱している道路などは見慣れたものである。西成は大きな包容力を持って、ドヤに生きる人を包み込む。
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