第16話

 そして次の瞬間、お互いの身体が入れ替わり大夢は歩夢に歩夢は大夢になっていた。

 だが、歩夢は自分の身体では無くなっても、然程驚いた様子は見せていない様だった。

 「兄さん、有難う。兄さんも僕のジンセイ、楽しんでね」

 歩夢の意味深な告白に、大夢は〈…僕の人生を楽しんでって、どういう意味だ?てか、何か俺が歩夢から自売りを提供されたみたいだな!〉

 大夢がそんな事を感じていると、有る異変に気付いた。

 〈…歩夢に、なった途端全ての物事を瞬時に覚えられるな!…そうか!歩夢は全ての能力が高かったから、歩夢の人生を楽しんでってそういう事か!?〉

 歩夢は、逆に自分の人生を大夢に提供する事でこんな生き方も有るんだよと教えてくれたのかもしれない。

 大夢は、小さく離れて行った歩夢の背中を見てそんな事を思っていた。


 

 

 

 

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