第11話

 「いや、兄さんが自売りをやっているのを母さんから聞いてさ。やっと、探し当てれたよ。こんな、駅前の人が多い場所でやってたんだね!」

 「…そうだけど、歩夢お前確か母さんと喧嘩して家出したんだろ?それに、お前その後確か…バイクで崖から落ちて死んだはずじゃ!?」

 当時、歩夢の事故はTVのニュースでも流していたらしいから大夢は良く覚えていた。

 「…あァ、あの事故は大怪我を負っちゃったけど、命には別状無かったんだよ!その、証拠にホラ…」

 そう言うと、歩夢は自分の袖を捲り左腕の大きな傷を大夢に差し出してきた。

 「いャあ!あの時はマジで死ぬかと思ったよ(笑)」

 そう返した歩夢は笑い話の様に、当時の事故を振り替えっていた。

 「それはそうと、兄さん自売りやってるんだろ?僕にも、兄さんの自売りを利用させてよ」

 

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