第17話

 歩夢と別れた大夢は、取り合えず深夜も営業している駅前の本屋に行ってみた。

 歩夢は美少年であったせいか、女性達の視線が此方に向いているのが分かった。

 本来なら、異性の好奇な視線は嬉しい筈だが大夢は何処と無くむず痒い感情に陥っていた。

 本屋に着くと、身体が勝手に有るコ-ナ-に行っていた。

 それは、哲学のコ-ナ-で昔から歩夢が好きな物の一つだった。

 〈…そういえば歩夢、小学生の頃から哲学や宇宙なんかの非現実的な世界が好きだったな?〉

 〈てか、自売りって他人の身体は変えられても心までは変わらない筈なんだけど…何か、変だな!〉

 大夢は、身体どころかじょ好までも歩夢に近づいている事に薄々気付いていた。

 そして大夢は、哲学の本のページをペラペラと何枚か捲った所、直ぐに頭に入っていく事が分かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る