第9話

 大夢は自分の身体に戻った10分後に、遠くから梨沙が戻って来るのを確認した。

 「丁度、先程身体を返して貰ったのでもう利用できますよ」

 大夢がそう伝えると梨沙は「ごめんなさい。なんか私の勘違いみたいでした。彼、浮気して無くて、只の職場の同僚だったみたいです。時間を取らせてしまったので料金は支払います。自売りは、利用しなくても大丈夫です」と、予想外の言葉を返してきた。

 「そうですか!あの、料金は返しますので機会有りましたら、又別の理由でも良いので利用してみて下さい。きっと、自分の人生にも役に立ちますよ」

 大夢は、そう優しく伝えるとポケットから

1万5千円を取り出し梨沙に返す事にした。

 「すいません。又、機会有りましたら是非利用させて下さい」

  梨沙は、そう言うと大夢に何度もお辞儀をし申し訳無さそうにその場を後にしていた。

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