第3話

 「そんな、下らない仕事なんかしてるのか!ま、昔から何も取り柄なんか無かったお前にはお似合いの仕事かもな」

 この、淳也という男は大夢と同じ孤児院で育ち、特に障害も無く頭も良かったが性格に難有りで、孤児院時代は常日頃大夢の事を愚痴愚痴と苛めていた。

 「そうだけど。特に、何も用は無いんなら早く帰ってくれないかな?」

 大夢は、孤児院で会って以来の再会に心の中でこいつとはもう関わりたく無いと思いながら、語気を強めながら淳也にそう返した。

 「いや、用が有るからここに来たんだけど(笑)因みに、お前の自売りの料金幾ら?6時間位、利用したいんだけど」

 ここでも、淳也は顔にうっすら笑みを浮かべながら大夢に問い掛けてきた。

 大夢「…6時間、3万だけど」

 淳也「3万もするのか!?ま、俺は今大手IT企業で勤めてて、金はある程度有るからよ。仕方無いからお前の為に利用してやるよ。取り敢えず、6時間利用するわ」

 淳也の馬鹿にした様な言い方にちょっとムッとしたが、取り敢えずこんな奴でも自売りを買ってくれた事に大夢は安堵の表情を浮かべた。

 「毎度、有難うございます!因みに、淳也は俺になって何をするつもりなの?」

 大夢はそう問い掛けると、淳也は

 「お前は、頭も悪かったし何も取り柄無いけどよ。顔だけは、まぁ良いから。これから大人の遊び場に行ってよ。何か、良い女でも引っ掛け様と思ってさ」

 大夢は「そんな理由かよ!俺になって余り羽目を外さないでよ」と、内心呆れながら淳也に言い返した。

 「…で、どんな感じでお前になるの?俺、自売りやるの初めてなんだけど?」

 

 

 

 

 

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