第21話
電話を切ると、大夢はフ-っと息を吐いた。
〈…歩夢が、死んだって!?…まさか、俺がさっき会ったアイツはまさか幽霊…?〉
大夢は、現実的にそんな事はあり得ないと自分の頬を思い切り平手打ちした。
大夢は、いつもこうする事で嫌な現実から逃げていた。
〈…取り合えず、母さんの住所教えてもらったし、直ぐに向かうか。ここから、其れほど離れて無いし〉
そう、決意した大夢は急いで準備をすると電車に乗り、此処から2駅程しか離れていない実母の所まで向かう事にした。
途中、手洗い所を発見すると姿見(鏡)で自分の姿を確認した。
分かってはいたが、其処に写し出されていたのは大夢では無く歩夢だった。
やはり、兄弟だったので面影は何処と無く似ている。
しかし、その表情は人生の意味を見失っていた大夢の疲れた表情では無く、此れから未来に向かって力強く歩みだそうとする、凛々しくも何処と無く悲しげな表情をした歩夢だった。
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