アンバインの隠し通路

帝国による迫害で収容所に閉じ込められているエルタンは、行方不明の新入りを捜し出せと命じられる。日付が変わるまでに達成しないと自分がひどい仕打ちに遭うため、一度しか話したことのない相手を捜索することに。
　
居場所には心当たりがあった。一年前、友達と一緒に入った隠し通路。外に通じる出口はなく、なんのためにあるのかもわからないこの通路がきっかけで、エルタンは取り返しのつかない喪失を経験した。新入りがこの通路に入ったなら、同じことにならないためにも連れ戻さないといけない。

再び踏み込んだ隠し通路は、一年前には見なかった景色をエルタンに見せた。この通路で別れた友の足跡。ないはずのものがあり、あるはずのものがない。

この通路には、もうひとつの出口が隠されている――