概要
信仰とは、愛とは——素性知れぬ乙女は、信じることを投げ出さない
昨今のWeb小説には珍しい、骨太ハイ・ファンタジー(読者様評より)。
胸に誓った使命と、募る想いを秘めて。
伝説に賭けて平和を希求する神秘的な美しさの女性の物語。
彼女と幼馴染のなかなか通い合わない気持ち、そして公国領主をも絡んだ恋の行方はいかに。
シリアス・ファンタジーです。
四方を海に囲まれたアンスルは、教会自治区と大小の公国が混在する大陸である。
大陸を守るのは水、風、土、火を統べる四神であり、神は聖なる珠をもって安寧をもたらす。
その神話ももはや伝説となったいま、アンスル大陸中央にあるカタピエは、他を圧する勢力を得ていた。カタピエの領主メリーノは力をちらつかせて公国公女を
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛を信じて。
四方を海に囲まれた大陸アンスルの覇権を握らんと、強国カタピエのメリーノ公は、その武を用い他の公国公女を娶り、さらなる権力を求めんとしていた。
しかし。その娶った公女たちがカタピエからいなくなるという事件が続く。それは「月色の瞳を持つ乙女」の仕業であることがわかる。
彼女の名はセレン。神を信じる彼女は、果たしてメリーノ公の野望を阻止できるのか──。
信じる心とそして愛、それらを余すことなく描いた傑作です!
と、あらすじはこんな感じなのですが、ここでご紹介できないほどに深い物語です。
敵役のメリーノの魅力もさることながら、セレンの味方である幼馴染のクルサートル、親友のフィロや…続きを読む - ★★★ Excellent!!!清く、正しく、美しく──乙女は戦い、恋をする。
世界は危機に瀕していた。
絶えぬ戦と天変地異。
疲弊した人々の心の拠り所となる教会さえ腐敗するなか、大陸全土の支配を目論む領主の魔の手を阻もうと、一人の乙女が立ち上がった。
いかなる窮地に陥ろうとも、乙女は果敢に戦い続ける。
一途に神の愛を信じて。
*
──という感じの西洋風シリアスファンタジーです。
大陸に伝わる神話や四神の力を秘めた珠なんて、読者の中二心を大いにくすぐることでしょう。
そ・れ・に、乙女セレンと幼なじみでもある教会総帥直属秘書官クルサートルのじれじれする関係や、セレンに一目惚れした公国領主メリーノの変貌ぶりに、ときめいちゃうかもしれません。
特に私…続きを読む - ★★★ Excellent!!!救いをなすのは神か人か? 素性を知られぬ乙女の冒険が始まる
大国が覇権を求め、自然災害がうち続くアンスル大陸。
その世界を救うべく、古くから伝わる教えを手がかりに、自分自身もその素性を知らない「月色の瞳の乙女」が冒険へと旅立つ。
どこから見ても、王道を行く西洋風ファンタジーです。
その一人の乙女に対して、世間的には聖界・俗界の超エリートの地位にあるはずの男どもが…もう、何と言うか、「男ってこんなのだからかわいいよね」と言うか…という行いを繰り広げ…。
その昔、といってもそれほど昔ではない昔、「セカイ系」ということばがあって、それは「個人的な幸不幸と世界の危機が無媒介に結びつけられているような作品」を意味していました。「いまどきの若いやつら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!落ちついて読書を味わいたい方へ
つくりこまれた世界観と人間味あふれるキャラクターが魅力的なシリアス恋愛ファンタジー。
ヒロインのセレンをはじめとした女性陣が非常にカッコいい本作ですが、反比例するように『がんばれ男子!』と、うっかり青春恋愛もののキャラに対するような気持ちになったりもします。
いや、相手は教会総帥の直属秘書官だったり、大陸中央にあるカタピエの領主だったり、まあ立派な大人の男性たちなんですけどね。
ちょっとー! おまえらしっかりせんかーい! とね。いいたくなっちゃうんですよ、この人たち。それがまた魅力的だったりするんですけども。
物語の鍵は、いまや伝説となっている四神の珠。
本人もその素性を知らな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!天が遣わした美しき剣士と、彼女を寵愛せんとする魔の手から目が離せません
かつて四神の庇護と天の祝福を受けた、大陸アンスル。その中央に坐するカタピエ公国は、名君の統治したころの面影がなくなっていました。諸侯の娘を人質として嫁に差し出させるメリーノは、権威を振りかざしていたのです。雫を散らすことしかできない花は、牢のような宮廷へ押し込められてしまいます。
手折られる運命の花を攫うのは、剣を携えた月色の瞳の乙女でした。
大陸の安寧を胸に、身分を隠して「あるもの」を追い求める男装ヒロイン。腹の内を見せない執着系ライバル、奥手すぎてもどかしい優男との気になる関係やいかに。
悪役令嬢や異世界転生などのファンタジーも良いですが、そうした作品からは味わえない圧巻の世界観を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私なんかがレビュー書いて良いのかなって。
昔見たドラマだったか読んだ小説だったか覚えてないのですが、あえて『何もしない』ことによって、そのものの良さを伝える、みたいなシーンがあったんですよ。なんていうか、美術鑑賞を趣味にしている人が、普段は作品について解説やら感想やらを良くしゃべるんだけど、その絵画の前では何もしゃべらなくなる、みたいな。
だからね、私もいっそ、レビューとか書かない方が良いのかなとか、一瞬思い詰めましたね。あんなにレビューだなんだってギャーギャー騒いでるレビューおばさんがあえて書かない、これはすごい作品だぞ、みたいな。
でもそれをするには、私はそれこそ年間で四桁のレビューを書くくらいの人になってないと意味ねぇなと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大陸を震わせる暴君。立ち向かうのは一人の少女。
アンスル大陸の中央に位置する強国、カタピエ。
その領主であるメリーノは各国の公国公女を娶り、自らの支配を広げようとしています。
当然、輿入れした公女たちに幸せなど待っていません。このまま泣く泣くメリーノの手に落ちるのか。
しかしそうはなりません。
暴挙を働く者がいるなら、それに立ち向かう者だっているのです。
その名はセレン。教会に所属する彼女は知恵と剣技を活かしメリーノの野望を幅もうとするのですが、そんな彼女が実に聡明でかっこいい。
凛とした姿と真っ直ぐな心根は、きっと見る人の心を貫くことでしょう。
ただ問題は、メリーノもそんな彼女に興味を持った一人であるということ。
もちろん、興味を持…続きを読む