第25話 『ミュゲ書房』

 皆さま、こんにちは。

 毎度おなじみ、長月そら葉です。


 3回目の緊急事態宣言が出て2日目。早く収束してほしいところです。


 今回ご紹介しますのは、カクヨムで執筆なさっている方の書籍化作品です。わたしは天邪鬼なのか、あまり「カクヨムから書籍化!」という作品を読まないのですが(おい(;^ω^))……こちらは交流の少しある方ということもあって書店で購入したものです。


 伊藤調いとうしらべ『ミュゲ書房』KADOKAWA


 主人公・あきらは、元大手出版社の編集者。彼はある作家の作家人生を潰してしまった負い目から逃れるように、出版社を辞めた。


 そんな彼のもとに舞い込んで来たのは、祖父が危篤という知らせ。

 急いで枕元に向かったのも束の間、祖父は言葉を残して世を去った。


 祖父が残したのは、既に鬼籍の人である祖母と共に営んでいた書店・ミュゲ書房。

 物語は、章がミュゲ書房の閉店作業のためにやって来ることから始まる。



 こちら、文庫本ではございません。ハードカバーの本でして、装丁に力の入った美しい本だなと思います。


 最初、章は消極的です。色々あって書房を継ぐことになるのですが、その流れはまさに押しからの弱さが垣間見えます。

 しかし彼はミュゲ書房に関わる人々との交流を通し、変わっていくのです。


 天才的読書家の女子高生・桃ちゃん。カフェという癒しを届ける好青年・池田くん。庭の手入れを引き受ける女性・菅沼さん。彼女・彼らの存在失くしては、ミュゲ書房を語ることは出来ません。

 そして、山田さんや常連の親子、市長など、様々な人々との邂逅もこの作品の魅力かと思います。かれらがどのように章と関わるのか、それは読んでからのお楽しみです。


 一冊の本が世に出るまでには、これほどたくさんの人と努力がある。わたしは出版業界のことをほとんど知らずにおりましたが、この作品を読んでより一層、作家になるという夢を強くしました。


 これからも、頑張って書いていきます。


 書籍化を願う方、出版に興味のある方、そして本を好む方にオススメです(*^^*)

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