番外編 『毒親 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』

 皆さん、こんばんは。長月です。

 今回は、タイトルにもあるように番外編です。

 わたしが好きで読んでいる本、というカテゴリーではなく、最近読んで衝撃を受けた本をご紹介します。

 ここから、重めの話になります。それが辛い方は、この番外編は読み飛ばしてくださいませ。







 それは、こちら。

 中野信子『毒親 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』ポプラ社


 何が衝撃って、まずタイトル。そして、内容です。

 最近、小説のタイトルでも見ることがありますよね、毒親。

 あまり親のことをどうこう言うのは、批判を買いそうなので伏せておきましょう。

 でもなんとなく、わたしの「この本を買ってみた理由」はお察しいただけるかもしれませんね。察するだけでスルーしてくださってOKですよ。


 さてさて。誰だって、子どもを害する毒親になんてなりたくないはず。だって、人を苦しめたり痛めつけたりすることは、いけないことだとわかっているから。

 でも、いつの間にかなっている。または子どもにはそう思われてしまっている、なんてこともあるのかもしれません。


 作者・中野さんはおっしゃいます。「パンドラの箱を開けるような気持ちで、本書を書き始めました」と。

 誰だって、初めから子育てのプロであるはずがない。当たり前です、初めてなんですから。それでも、試行錯誤して、よい親であろうとするのでしょう。


 わたしが本書を読んで衝撃を受けたことを、ふたつ紹介することに留めておきましょう。最近出版された本なので、書店できっと見つけられると思うから。


 一つ目、親と子は別人格だということ。

 当然のはずですが、何げに衝撃だったんです。だから、親には親の、その人としての人格があって、子には子の、その一個人としての人格がある。それぞれが別の人間だということです。だから、わかりあえない場面があって、当然なのです。

 だって、別人なのですから。クローンではないのですから。


 二つ目、本文から抜粋します。

「信じられないような重さを抱えて、ここまで生き延びてきたことを、(中略)認めてあげてほしいと思います。(中略)自分をもっと自分で愛してあげてもいいのだ」と。

 生きていることが、それ自体が奇跡であり、称賛に値する。


 あなたは生きていていいのだと、そう言われた気がしました。


 全ての解釈を明るい方へ向けていくには、誰しも時間のかかること。でも、近い将来、自分を、自分が生きてきたということを自賛出来たなら。少しは、明るい未来を信じられるかもしれない。


 重い話になってしまいましたね。申し訳ありません。


 次回は、いつもの通りに戻りますよ。お楽しみに!

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