第3話

昨日はお風呂でちょっと要に悪戯したり

要に添い寝してもらえたから少しヤル気がある!

とはいっても、やる事は基本的に昨日と変わらないけどね。


お、来たかな?


「おい、起きなくていいのか」


「んぅー……あとごふん……」


猫を抱きしめまた眠りにつこうと身動ぎする


「早く行かねぇと遅刻すんぞ

ほら、起きろって」


こいつ見かけによらず世話好きだな。


「んぅー……あ、昨日の親切な人……昨日は助かりました。おやすみなさい……」


また眠りにつこうとする僕。


「いや、起きろって。」


「んぅー…眠いです……」


目を擦って渋々起き上がる。


「授業出なくていいのか?」


僕は腕時計を見て


「んぅー、もう間に合わないので諦めます。

親切な人は行かなくていいんですか?」


御剣 純介が立ったままなので狙わなくても自然と上目遣いになる。


「俺はいいんだよ。

誰もマトモに授業なんてやってねぇし」


確か御剣 純介はWXだった筈。


「そうなんですか?

それじゃあ、授業終わるまで僕とお話しませんか?」


「……お前…俺が怖くないのかよ」


「……怖くないですよ?親切な人は、見ず知らずの僕を授業に遅刻しないように起こしてくれる優しい人ですから。」


ニコッと微笑めばプイッと顔を逸らされた。


「…ならいい。

後、俺は親切な人じゃなくて御剣 純介。」


そう言って僕の隣に座った。


「純介さんですね。僕は御影 由良って言います。」


え?勿論偽名だよ?本名なんて言って探されたら面倒だもん。

それから当たり障りのない雑談をした。


キーンコーンカーンコーン


「あっ、鳴っちゃいましたね……

あの……また…此処に来てもいいですか?」


少し顔を伏せて手をもじもじとさせる。


「……勝手にすればいいだろ。」


「っありがとうございます。

それじゃあ、これは約束の飴です。

また会いましょうっ!純介さんっ!」


僕は笑顔で手を振ってまた小走りでその場を立ち去った。

はぁ、表情筋が疲れる……。

寮に帰ろっと。




ガチャッ


「かーなーーーめーーー」


「おかえりー。」


ボスンッと要の太腿に顔を埋める。

本当にぷにぷに。癒やし。


「そういえば、さっき豊が来て

もういつでもいいってさ。」


「あーーーい。

こっちは思ったよりいい感じ」


あの感じならもう二、三回で踏み込めるだろう。


「今日もお疲れ様。」


優しく頭を撫でられ僕は目を閉じる。


「アレだったら寝てもいいよ。

ご飯になったら起こしてあげるから。」


「ん、頼んだ」


 

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