第4話

「んぅー…おはよぉ、ゆきぃ」


僕の腰にスリスリしながら言った


「おはよう、棗。」


棗の頭を撫でれば

むくっと起き上がり僕に寄りかかる棗。


「ずっと起きてたのぉ?」


「何か寝れなかったからね。」


「あれ?いつの間に要来てたの?」


スヤスヤ眠る要のほっぺたをぷにぷにしながら聞いた。


「んー、夜中…というか朝方かな。

山田紀紗季の事教えに来てくれた。」


パタンっと本を閉じ


「それで?棗は何を企んでるの?」


棗を後から抱き締めて首元に顔を埋める。


「んーとねぇ?ほら、ゆきも山田紀紗季に絡まれたでしょぉ?

要もだしぃ、他の皆も殆どそうじゃん?」


「そうだね。

おかげで不登校が増えたって理事長がボヤいてたしね。」


「別に他の皆は良かったけどぉ

ゆきはだめぇ。

だって、ゆきは俺のでしょ?」


首元に顔を埋める僕の頬に手をそえる。


「僕は棗のじゃないって何回も言ってるじゃん。」


「それでも、俺のなのぉ。

俺はゆきのだし、ゆきは俺の!」


頬を膨らまして怒ってますアピールをする棗



「それで?」


「あー!話流した!!

まぁいいや。

それでねぇ、手っ取り早く潰すのは楽だけどぉ

俺としてはグッチャグチャに壊れてほしいんだぁ。」


そう言って僕の方を振り返る。


「それで?僕はどうしたらいいの?」


楽しげに笑う棗にため息をつきながら聞いた


「1ヶ月学校に来ちゃ駄目!

住むのは要の部屋ね!後要達も来ないでって言っといて。」


ニタニタ笑って言う棗。

こういう時の棗は、なんて言っても無駄。


「それじゃあ、1ヶ月経ったら学校行けばいいんだね?」


「うんっ!浮気しちゃ駄目だよぉ?ダーリンっ!」


「普通に今のは鳥肌立つ…

ていうか、僕が我慢しない主義なの知ってるでしょ?」


僕は所謂絶倫というものらしく

いつも気付けば相手が気絶してる。

一度味わったら病みつきになるのが僕とのえっちらしい。


「知ってるけどぉー!

あっ!もう昼になっちゃうっ!

取り敢えずそういうことだからよろしくねぇ!」


バタバタしながら出て行った棗。


「取り敢えず要の部屋行こうかな。」


要の部屋は、棗の部屋の隣。

というか能力判定不可の人はこのフロアに集められてる。

断る事もできるけど、便利だから断る人は中々居ない。

部屋からご飯も頼めるし

頼めば部屋の清掃や模様替えなんかもやってくれるし

頼んだ物は基本何でも届く。


「よいしょっと」


要が持ってきた鞄を持ってシーツで要を包んで要の部屋に向かった。


1ヶ月後どうなってるのか今から楽しみだなぁ

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