03 千代、お世話になる



 ばったり倒れていた私は、馬車に載せられて(×乗せられて)、すごく大きなお屋敷に連れていかれました。


 その馬車の中で自己紹介。


 命の恩人さんの名前は。

 エフェクター・プラム・ナインレッド。

 通称、エフさん。


 異世界人って、そんな恰好良い名前の人ばっかりなんでしょうか?

 とても長いので、なんだかとっても由緒ありそうです。


 その予想の通り、私を助けてくれた人は貴族だったそうです。

 金髪の整ったイケメンさん。

 歳は20代くらいで、王子様みたいな容姿です。


 エフさんは、大きなお屋敷に招待してくれて、あれこれ世話を焼いてくれました。


 美味しいご飯をご馳走してくれたり、お風呂にもいれてくれたり、ベッドまで提供してくれます。


 何て良い人なのでしょう。


 こんなにあやしい私に親切してくれるなんて。


 どうして優しくしてくれるのか聞けば、「困っている人に手をさしのべるのは当然の事じゃないかい?」と答えてくれます。


 まぶしいっ!

 その存在っ、とても普通の私には、直視できませんっ!


 でも、困ってしまいます。

 見知らぬ人から受けた恩が大きすぎて、どうやって返せば良いのか分かりません。


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