25 弄ばれた後



 頭の中のご主人様に戦慄しながら、今日は倉庫をお掃除。


 埃がたまった倉庫を綺麗にしちゃいますよ!


 はたきをバサバサ!


 ほこりもぶわぶわっ。


「げほげほっ」


 しまった、私の健康が脅かされてしまいます。


 あうう、失敗です。


 でも、めげません!


 こういう時は確か湿気があれば良いんですよね。


(暖かいお湯でももらってきて、湿度を足した方が良いのかな)


 頭を回転させた私は、厨房でお湯の入ったポッドでも貰ってこようかと思いました。


 が!


 倉庫を出たときに、はたきをもったままの私が悲劇を起こしてしまいました!。


「善は急げです!きゃうん!」


 躓いて地面にどっさり。


 ころんでしまいました。


 それだけならまだしも、手に持っていたはたきがすっぽ抜けて、様子を見に来たご主人様の頭に着地です!


「ほう?良い度胸だな。俺に喧嘩を売っているのか」

「ひいいいいい!」


 はい、大悲劇が確定しました。





 一時間経ちました。


 うぅっ、朝なのに朝からご主人様に弄ばれてしまいました。

 ご主人様、顔は良いんですけど、ちょっぴり趣味があれなんですよね。


 今日もなんかよく分からないものを使って、大人でアダルトで、セクシーなお仕置をされてしまいました。


 うぅ~~っ、考えたら恥ずかしくなってきました。


 解放されたあと、顔を真っ赤にしてると、同僚のメイドさん達にからかわれてしまいます。


 新米メイドですから、皆いい遊び道具だと思ってるみたいで、私の事よくからかってくるんです。


(そこは介抱する所では!解放された後だけに!)


 なんて親父ギャグみたいな事いっている場合じゃないです。


 はぁ~~、異世界転生してイケメンのご主人様に拾ってもらったはいいけど、毎日苦労が絶えません。


「チヨ姉ちゃんは本当に怒られてばっかりだな」


 落ち込んでる私に話しかけてくるのはカイネ君。


 使用人の男の子。


(多分年下かな?)


 ワタシより頭一つ分背が低いですから。


 あと、獣人で、狼さんなんです。


 頭にはふわふわの耳と、お尻にはもふもふのしっぽ。


 触るととっても気持ちいいんですけど、カイネくんは恥ずかしいのかなかなか触らせてくれません。


(いいなぁ、さわりたいなぁ。きっと予想通りもふもふしてるんだろうな。どうなってるのかなぁ)


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