33 恒例のお仕置きタイム
という事で。
ご主人様のおかげで無事に元の場所に帰る事ができました。
女の子も探していた保護者さんと再会できてよかったです。
他の使用人さん達もとても心配して探し回ってくれたようです。
「チヨ。無事だったのね。良かったわ」
「チヨ姉ちゃんはドジだな。こんなとこで迷子になるなんて」
皆、私が戻ると温かい言葉をたくさんかけてくれました。
私は皆さんの事が大好きです。
改めて、これからも皆さんと一緒に、ここで働いていきたいと思いました。
だけど、それとは別に……。
「お仕置きの時間だな、チヨ」
「ひぃぃぃっ!」
ご主人様はそんな感動的な場面で誤魔化されてくれるような人ではありませんでした。
旅行先の宿でとった、ご主人様の部屋へとずるずる引きずられていってしまいます。
誰か、助けてください~。
視線を向けて一人一人にヘルプしても、皆さん言ってらっしゃいとしか言ってくれません。
視線が生暖かい。
なぜでしょう。
意思疎通に重大な齟齬が発生している気がします。
そうしてじたばたしながら個室に連れてかれて、扉がばたん。
「大人しくしろ。わざわざ俺をあんな鬱蒼とした森の中を歩き回らせたんだ」
「あぅ、それはその~」
「さあ、どうしてくれようかな。こうしてくれようか」
「きゃうっ」
「それともこんなのはどうだ」
「ひゃああああっ。もう無理です、恥ずかしいです~っ!」
「喜んでいてはお仕置きにならんだろう、もっと別の方法にしてみるか」
「それはもっと駄目で、あうっ」
ご主人様のドエスっぷりに耐えられなかった私は活動停止してしまったようです。
「ん? どうした。また気絶か。相変わらずどれだけいたぶっても慣れない奴だな」
いたいけな少女に対していたぶるとか。
もはや弄ぶでもなくなってますよね。
やっぱり私のご主人様は意地悪です。性格悪いです。暴君です。
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