10 イケメン太陽



 リアさんとそんな話をしてると、ご主人さまが私の働きぶりを見にきました。


「まあまあ、順調そうだな」


 他の使用人さんともまざって、和気あいあいな私を見ながらそんな事を言います。

 すると、にっこり笑顔のリアさんが頷きました;


「ええ、チヨは一生懸命に頑張ってくれますよ」

「そういえばそいつの名前、そんなだったな」


 ご主人様、その発言驚いちゃいますよ。

 人としてどうかと思いますよ。


 思わず私の背景に雷が落ちてしまいました。


 物みたいに持ち帰った私の名前、憶えてなかったんですかっ?


 ご主人様、絶対いつか誰かの恨みを買って、背中を刺されちゃいますよっ!

 もう、買ってそうですけどっ!


 それはともかく、ご主人様はとてもイケメンです。

 恰好良いです。

 まるで太陽みたいに、きらきら輝いているか、宝石みたいにピカピカ輝いています。


 見た目だけは、すっごく良いんですよねっ。


 とてもとても、真正面から目を合わせる事ができませんっ!


 ご主人様と目を合わせ続けていると、私は顔が真っ赤になってしまいます。


 きっと、ずっと続けていたら、ゆでだこみたいになってしまって大変です。


 ほら、今もキラキラしてます。


(ふぁっ、眩しいっ!こっち見ないでくださいっ!)


 こちらの挙動を不審に思ったご主人様が、私に問いかけてきました。


「チヨ。なぜ目を合わせない」

「はうっ、いえっ、それはっ。目にごっ、ゴミが入ったんですっ!」


 我ながらなんて苦しい言い訳でしょうっ!

 でも、もう後には引きません!


 私は目をゴシゴシ。


 するとご主人様はジト目で、ジトジト視線を向けてます。


「そんな挙動不審に嘘を吐く奴は初めてみたぞ」

「嘘じゃないですっ!」


 もちろん嘘ですっ! でも、騙されててくださいっ!


「やましい事があるのか?」

「ひぅっ、違います!」


 というかご主人様、そのお顏近づけないでください。

 イケメンすぎて、もはや凶器です。


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