28 初めての旅行





 今日は、新発表があります!!


 じゃ、じゃ~ん。


 異世界に来て初めての旅行ですっ!


 ご主人様は、息抜き旅行へ行く事になりました。

 なので、使用人である私達も身の回りのお世話をする為についていきます。


(でも。はぁ~)


 ため息もでちゃいます。


 だって、大変なんですよね。


 お屋敷のあっちこっちで、皆準備に追われていますから。


 お荷物は多いし、重たいです。

 ご主人様はあれをぶつけるな、これは丁重に扱えって、そればかりですしもーっ!


 いつもより五割増し、うるさいです。


 だけど、そうやってぷくーっとほっぺを膨らませてたら、物陰からにゅっとご主人様がご登場。


 ニヤリと笑って、「ほう、そんなにお仕置きされたいか。新しい場所でお仕置きするのも趣があっていい。旅の目的が一つ増えたな」そんな発言です。


(ひぃっ!出た!)


 お仕置きに趣を求めないでくださいっ!

 お仕置きと趣はイコールで結ばれていい言葉じゃないですから!


「ああ、楽しみだな。屋敷とは違った場所で、違った部屋でするのも新鮮だろう」

「ひぃぃぃっ! すすす、すみませんっ! ごめんなさいっ!」


 私にできる事と言えば、許しを請う事くらい。

 頭を何度も下げて平謝りするしかありません。

 ちょっぴり涙目になっていると、他の使用人さんが。


「まあ、カーライル様。先ほどからなぜか物陰でじっとしていたかと思えば、チヨの失言を待っていらしたんですね」

「ちっ、ネタバレするなよ。リア」


 えっ、ご主人様陰険。


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