第9話 入学手続き
「……はい。これで取調べは終わり。後のことは私達に任せて」
「分かりました。ありがとうございます。……それで、ヘイト学園ってどこに……」
「大丈夫。私に付いて来て」
「は、はい……」
取り調べを終え、世代ナンバーワン剣士に付いて行く。
……世代ナンバーワン剣士って長いな……名前を聞いておきたい。
「あの……あなたの名前を知りたいんですけど……」
「ん?ああ!そういえば自己紹介してなかったわね。私の名前はアテナ。アテナ・シュウェットよ」
名字じゃなく名前を先に言うのか……
名乗るときに気をつけないとな。
じゃないと葛城が名前になってしまう。
「俺はミツル・カツラギと言います。よろしくお願いします」
「カツラギ?変な名字ね……まぁいいわ。よろしくねミツル」
「はい。それで、ヘイト学園は……」
「もうすぐそこよ。ほら、これよ」
「おおー……デッカ……」
「寮は奥にあるわ。まずは手続きを済ませましょう。明日入学式だから、新入生として入学できるはずよ」
「へー……って明日!?大丈夫なんですか!?それ!?」
「ええ。大丈夫よ。……多分」
「本当に大丈夫なんですよね!?」
「……取り敢えず学長室に向かいましょう」
「……は、はい……」
……元の世界なら入学の手続きが一日で終わることなんてない。
身元もわからない者ならなおさら長くなるはずだ。
……本当に大丈夫なんだろうか……
なんか、めっちゃ不安になってきた……
「ここよ。さあ、入るからね」
「は、はい……」
扉を開いた先にいたのは、おじいちゃんだった。
恐らく学院長なのだろう。
「おー!アテナ君!今日はどうしたのかね?」
「実は今日任務で行ったところで見つけた子です。ここで面倒を見てもらえないかと思いまして」
「なるほどね〜。オッケー!適当なクラスに入れるよ。明日の入学式に出てね。入学式が終わったら寮に入れるからね」
「いやいやいや!!そんな軽くて大丈夫なんですか!?」
「問題ないよ。それがうちの方針だからね」
「は、はあ……」
こんなに軽くてもいいのかと思ったが、入学が決まったことは素直に嬉しい。
明日から、この学校の生徒になれる。
前世では高校生の途中で終わってしまったからな……
自分の力を高めるのと同時に、青春の続きがしたい。
……まぁ、前世で青春らしい青春おくれてないけども……
……よし!入学したらまず、友達を作るぞ!
べ、別に前世で青春に憧れてたわけじゃないんだからね!
……うわぁ……自分でやっといて何だけど気持ち悪っ!
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