元ラノベオタクの転生勇者はチートスキルを使わない

辻谷戒斗

第1話 死は突然に

 俺は今、落胆している。

 その理由は簡単だ。


「また異世界転生ものかよ……」


 そう、俺は最近のラノベが、異世界転生ものが多すぎるという事実に失望しているのだ。


「しかも、チートもの……もういいよチートものは……似たような作品多いし……」


 もちろん、それが全てではないことは俺も分かっている。

 チートものの中でも面白いものも存在することは百も承知だ。

 でも、同じような作品が多いことも事実だ。

 面白いものは大体読んでしまったし……どうしようかな……


「はぁ……今日はもう面白い作品を探すのやめるか……。結局面白いのは大体持ってて、新しいのは異世界転生・転移のチートハーレムばっかだったな……」


 書店を出て帰路に就く。

 ……ん?ああ……またか……

 今、胸が少し締め付けられたような気がした。

 今日はなぜか、この感じがよく起きる。

 何なのだろう?まぁ、あまり痛くはないし、放おって置くとしよう。

 大通りを外れ、裏路地に入る。

 家に帰るにはこの道を通ったほうが早い。


「っ!!」


 ま、まただ……でも、今度はめっちゃ痛い……!!胸が押しつぶされそうだ……!!


「グッ!!い、痛い!!何なんだこれ!!」


 痛い!!痛すぎる……!!

 ……ま、まずい……意識……が……もた……な……い…………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る