第27話 ローズの兄からの相談
「そ、それであの……一体どのようなご用件でしょうか……」
俺の必死の抵抗も空しく、俺はローズの兄によって生徒指導室の部屋に連行された。
指導されるようなことは何もしてないと思うんだが……まぁ、十中八九ローズのことだろうけど……。
正直に言ってしまえばだるい……。
「実は……ミツル・カツラギ。恥を忍んで貴様に相談があってだな……」
「な、なんでしょうか?」
な、なんて真剣な表情なんだ……。
もしかして、結構真面目な相談なのか……?
「ローズが……ローズが最近俺に冷たいんだ!!」
ま、ですよね〜。分かってた。分かってたよ。この人が俺に真面目な相談をしてくるわけがないって。
まぁ、この人からすれば超重要なことかもしれないけどさ〜……俺はぶっちゃけどうでもいいんだよな。
ので、俺は適当に答えることにする!どうか早く終わってくれ!
「き、気のせいじゃないですか?」
「いいや!そんなわけがない!昔はもっとお兄ちゃん、お兄ちゃんって頼ってくれたんだぞ!それが今は、うるさい、邪魔、だぞ!?一体ローズに何があったんだ!」
「あー、それは反抗期じゃないですか?」
「は、反抗期だと!?と、いうことは……ローズが成長しているということか!?」
「そうなんじゃないですか?知らんけど」
「そうかそうか!なら、暖かく見守っているとしよう!助かったぞミツル・カツラギ!」
「いえいえ」
ローズの兄が握手を求めてきたので、それに応じる。
よっしゃ!以外と早く話が終わった!
俺の受け答えうまかったようだな!
「本当に助かった。礼として特別に、ローズと仲良くすることを許そう」
「ええ!?本当ですか!?」
やったぞ!これでローズと一緒にいても怯えなくて良くなった!
ローズのお兄さん、以外と優しかったんだな。少し見直した。
「だが、ローズをやるわけではないからな。ローズに手を出した瞬間、貴様の命が尽きると思え」
「わ、分かってますよ。ははは……」
前言撤回、この人ちっとも優しくない。
まぁ、ゆるくなっただけマシと考えるべきか……。
「分かっているのならいい。もう戻っていいぞ」
「は、はい。失礼しました」
ローズの兄にそう告げ、生徒指導の部屋を出る。
そして、自分の部屋に向かう。
さて、ボーグンを一発ぶん殴ってやると決めていたものの……どうするか……。
流石に本気で殴るのはなぁ……。
よし。話もそんなに長くなかったし、今回はデコピンで勘弁してやるか。
階段を登り終わり、自分の部屋の前に着いたのでその扉を開ける。
「あ、おかえり。どうだった?有意義な時間になった?僕はその間結構有意義な時間をすごしてたよ」
そこには、ベッドに寝転んでお菓子らしきものを食べているボーグンの姿があった。
……うん。気が変わった。やっぱこいつ本気で殴ろう。そうしよう。
「ボーグンお前歯ぁ食いしばれええええ!!」
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