概要
べっ別に、アンタと将棋会館で悪手したいわけじゃないんだからねッ!
時は西暦二〇三五年。十五年前に突如として棋界に舞い降りたとある天才の降臨によって、日本は空前の将棋ブームにいざなわれていた。世は正に、大将棋時代……国民の半数以上が段位を有する未曾有の世界で、いまや「棋力」はすべての価値観を推し量る指標へと置き換わりつつあるのであった……進学も就職も恋愛も結婚も、政治も経済も文学も芸能も、あらゆるものが将棋を核に廻り巡る、そんな歪曲した世界。そしてそのいびつさに引き寄せられるかのように、別次元の狭間から、「二次元人」を標榜する正体不明、謎の軍団が姿を現す。戸惑う人々を「異次元対局」へと引きずり込み、己が存在意義を突き突けるかのように、「二次元人」はこの「三次元」の人々に対して宣戦布告の狼煙を上げるのであった。そして、
将棋偏差値七十一の「国立千駄ヶ谷棋青
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