第12話


その後、1階の改装の話は数日に渡って続き、そのまま2階、3階までの改装プランも話を詰めていく


温泉は1階は大浴場を始め、各種薬草風呂やサウナ、岩盤浴など種類を多めに計画し、

2階の宿泊者には1階の温泉はもちろん、各部屋に内湯を用意して好きな方に入れるようにする

3階は基本的にそれぞれの部屋に豪華な浴室とサウナを併設するようにしてある。

3階は貴族や上客向けということもあり、プライバシーを保護する目的もある


食事処は1階の日帰り客向けには定食や一品料理を、2階の宿泊者向けには宿泊料金に食事代を込みにしたバイキング形式を

3階は基本的には部屋での食事をということで話はまとまる

ちなみに3階の宿泊者が希望すれば2階のバイキング形式への変更もできるということにしてある


魔王城の改装のプランは細かいところまで話し合いを終え、次に城下の街をどのうな温泉街にしていくかのはなしあいをする


これに関しては街の代表者を呼び、魔王城湯治村化計画を説明し、一度持ち帰って数日後街の住人の賛成を得て話を進めることにする


街でも少子化や税収の減少などにより過疎化に危機感を抱いていたため、魔族領が栄えるならばと街人の賛同を8割方得て話を進めることになった


街の温泉街化に関しては代表者等数名を交えて、どのように改装していくのかの話を数週間にわたって詰めていき、それに並行して改装工事を始める


「温泉施設の従業員の雇用は魔族領と魔族領に隣接する村々からも雇い入れようと思うのだが、エスドはどう思う?」


「よろしいかと思いますよ、ですが、そうなると従業員用の寮も準備しないといけませんね」


「なら、地下一階を従業員用の生活スペースとするのはどうだ?魔族領の周辺の村々から雇入れは家族単位でも可としてせっかくだから子らには教育を受けさせるのも良いかもな」

魔族領の過疎化はもちろん、周辺の村の過疎化も深刻だと報告を受けていたのを思い出しクーロはエスドにそう提案するとそれは良い考えですねと賛同を得る


いずれは魔王城下に家を持ち、そこから出勤したり、独立して温泉宿やそれに付随する商売を始めるのも魔族領の人口増加につながるだろうという寿命の長い魔族ならではの考えで長期的な計画の一つとして組み込むことを検討する


そういえば書庫に福利厚生についてという本があったはずだ あれを参考にしよう

とクーロは考えつつ、種族は問わず、幅広く募集をかけねばとエスドに募集の張り紙や広告や商業組合などに連絡をとるように指示を出し 着々と魔王城湯治村化計画を進めていくのであった

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