第15話
街を歩きながらクーロはもうほぼ出来たものだなとシィに話しかける
シィはそうですね さすがゴーレム族の体力は侮れませんねぇと相槌を打つ
大まかに魔族と呼ばれてはいるが 魔族のなかでさらに種族は分かれていてる
ちなみにエスドは夢魔族でゴウワはゴーレム族 シィは魔狼族だ
それぞれが魔素に抵抗力があるというのが特徴で、また魔王一族に忠誠を誓っているため魔王から魔力の譲渡もされている
魔族領から離れると魔力の譲渡量が減るが、現在は魔王の子孫が魔族領からでている者もいるため 魔族領以外の魔素溜まりの魔素を魔力に変換してそこからの譲渡もされているため魔族領以外の魔族の暮らしに影響がでることはない
ゴーレム族はその屈強な身体と休むことをあまり必要としない体力を魔力により補強されているため昼夜問わず改装工事に時間を費やすことができ
半年の間に大部分の工事が完了している
温泉も街中に湧いていることもあり、各温泉施設への分配も問題なく済んでいる
メインの通りには食べ歩きなどが出来るようにバランスが良くなるように配置もほぼできていて工事の終わりがほぼ見えている状況だ
さて、そうなると今度はこの温泉街をまわすための人員が必要不可欠ということになる
なので大規模な募集をかけて城内と城下でそれぞれ働いてもらう者たちを厳選し
3ヶ月を目安に研修を行い そこからさらに3ヶ月は試用期間とする予定となっている
そしてその人員に泊まってもらっている簡易宿泊所が街の入り口の近くにある
その場所に近づくに連れて魔族以外の種族の姿が増え出す
魔族と魔族以外の種族に対してクーロは魔力の譲渡があるか否かで感じることができる
そしてシィに関しては同じ魔族であれば魔力の質で判別できるためクーロに気づかれない程度に周りを警戒する
魔族でない者がクーロを見たとしても魔王とは気付けないため
危害を加えようものならシィが容赦なく排除しようとするだろう
魔王と知っていてクーロに害をなすことは魔族を敵に回すことと同義で ただしそれを知らない魔族以外が危害を加えようとした場合は二度と危害を加えないように制裁を科す
それがクーロたち魔王の一族が知らないシィたち魔族の共通事項だ
そういうわけで周りを警戒しつつクーロの護衛を続けるシィ
クーロは魔族以外の種族と会うのは実はほぼほぼ初めてなのでキョロキョロと周りを見るのに忙しい
「なぁ、シィ あれは狼族か?」
そういってシィの服の裾を引っ張って話しかける
魔族としてはまだまだ若いクーロの幼い動作にシィは内心ほっこりしながら
「そうですよ 身辺調査をした限りでは問題ないですので話しかけてみますか?」
「う、うむ そうだな 面接の前に直接話して見るのもいいよな」
クーロの視線の先にいるのは狼の亜人である狼族の幼い子供だ
子犬のような愛らしい容姿にクーロはソワソワしてしまう
シィは魔狼族だが今は人化の術により本来の姿とは違う
そもそも本来の姿は巨大な狼の姿なのでそれだと城内を歩いたりする時に支障がでてしまうため今の外見になっている
ちなみに狼族は人化の術は使えない 人の体躯に近い二足歩行の狼が服を着ていると思ってもらえば分かりやすいだろう
クーロがよし、では といいつつ狼族の子供の方へと歩き出すのに合わせてシィも一緒に歩き出した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます