第21話
面接は全て終了した数日後、男女に分かれて制服の採寸を行なっていた
接客担当の制服は作務衣の色違いで女性はショート丈エプロンを男性はミドル丈エプロンだ
調理担当や裏方担当にもそれぞれ制服を支給するため採寸を順次行なっている
クーロは様子を見にくるついでにディアーヌたちから制服を着てみての感想を聞いて、改良する点などをメモして侍女にそのメモを担当者に渡すように言伝をする
「ああ、そうだ ディアーヌ 少しいいかい?」
クーロがディアーヌを呼べば すでに採寸を終わらせたディアーヌがはい、なんですか?とクーロのそばにくる
「うむ、地下一階にな 従業員専用の部屋を用意しているのだが
人間族の君たちが過ごしやすいか確認してもらいたいんだ この後 大丈夫かな?
用事があればそちらを優先してもらって構わない 時間があるときにまた確認してもらえばいいのでな」
「いえ、用事はございませんので大丈夫です」
ならばこれから行こうということになり クーロとディアーヌ 護衛であるシィと侍女
アロイヴと連れ立って 地下へと向かう
「あの、魔王様?」
「クーロでよいぞ」
「では、クーロ様 あの・・・ここ、地下ですよね?」
「うむ、地下だぞ」
魔王城地下一階 そこは一つの町のようになっていて
しかも今は日中、本来地下には太陽の光が入るはずがないのだが天井を仰ぎ見れば
外と同じ青い空が広がっている
「地下なのに、なぜ空が?しかも部屋というよりはあの、町のようなのですが」
アロイヴも驚いて口をぱかっと開けて呆然としている
「魔術でな 外の天気と同じようにしてるのだ
時間の経過と共に明るさも変わり 夜になるようにしてある
雨の日には雨は降らないようになっているが 少し薄暗くなるぐらいかの
町のようにしてあるのは家族でここに来る者もいるからな 部屋よりは家として使えるように工夫しててな
ああ、子供らに労働はさせぬように学校も準備してある
子供にはきちんと学んでもらい 魔族領に定住するか、それとも独立して魔族領から巣立つか そういう選択ができるようにしてやらねばだからな」
それが雇用主としての責任というものだろう?とクーロが言えば
「それは、雇用主というよりは・・・いえ、でも そうですね
私たちはとても幸運ですね ここまでしていただけるなんて」
ディアーヌがそういう
「さて、ではまずは独身の者のための建物から見てもらえるかの」
クーロが先導して建物へ向かって歩き出したのを追うように他の者たちも共に歩き出した
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