第22話
「まずはここ、異界の建物を参考に建てたアパートというやつだ」
3階建ての建物だが、地下の天井は高く屋上も利用できるようにしているため圧迫感はない
魔王城の地下は無駄に広いのであるのでなとクーロはなぜか胸を張る
「一つの部屋に何人もとなればゆっくりも出来んだろう?だからな個室という形にしたのだ 鍵もきちんとかかるようになっているからな」
そういって魔王は懐から鍵を取り出し 部屋の一つを開けて中に招き入れる
「おっと、靴は脱いでここに置くようになっている
でな、こっちが風呂兼洗面所でこっちがトイレでな ここの扉は物置になっている」
「なんというか、贅沢な作りですね
お風呂が各部屋についているのですか?」
「ああ、全てのアパートに風呂とトイレは完備しているぞ
広い風呂に入りたいもののために銭湯という施設も作ってある 好きな方に入れるようにな」
ディアーヌに設備の説明をクーロはする
なぜ、魔王が直接と思うかもしれないが ただ、説明したいだけである
お湯は蛇口に魔術を刻み湯と水が出るようにしてあり
燃料は魔石で魔力は少なくなれば自動で補充されるようになっている
掃除は手間がかかるだろうからと浄化の魔石を仕込んである
お湯を抜くときに反応して浴室を浄化するようにしてあるので掃除はとても楽だ
シャワーももちろんついていて シャンプー、リンス、ボディーソープも常備してあり、これは消耗品なので無くなれば売店を用意するのでそこで詰め替えしてもらえる
洗面所には洗濯機を用意してある
縦型の洗濯機のような箱に洗濯物を入れると これには洗浄と乾燥の魔石を組み込んでいるので洗濯物を入れて蓋を閉めて 魔術を起動させるためのスイッチを押せば
洗濯、乾燥まで約5分で終わらせてくれる
ちなみに制服は一人三着支給する 一着だと痛むのが早くなるためである
風呂の説明はここまでかなとしたところで次はトイレ
トイレは日本で言うところの洋式トイレだ
用を足した後、浄化の魔石をトイレに仕込んであるので壁にあるスイッチを押せば
魔術が作動するにようにしてある
ついでにトイレ自体には汚れを防ぐ魔術を施してあるのでトイレ掃除も楽々だ
ディアーヌはその便利さにびっくりするばかりで
クーロはその反応をみて ドヤ顔で説明を続ける
魔王城では当然の設備だが、ディアーヌたち人間族にとっては魔石は高価なものでそれを生活を豊かにするために使用していることにただただ、驚くばかりである
「次は寝室とダイニングキッチンだな
寝室はこっちでな ベッドと机と本棚を用意してある 天井にあるのが灯り用の魔術具でな ここを押すと灯りがつくようになっているからな」
他の部屋も同じようにつくからな で、もう一度触ると消えるからなと説明し
ダイニングキッチンに案内する
台所には一人暮らし用の冷蔵庫の魔術具と火の魔術を刻んだ魔石を利用したコンロ
水の魔術を刻んだ魔石を利用した流し台
備え付けの棚の中にはフライパンなどの調理器具などが一通り
お皿は友人が来ても大丈夫なように三客分が食器棚に入っている
「冷蔵庫には長期保存の魔術を刻んであるから、食材は長持ちするようになっているが
料理が苦手なもののために食堂も周辺にある 食材は売店で手に入るからな
まぁ、売店とは言っても食材はこちらから提供する形となるから支払いは不要だ
ただし、店員はホブゴブリン族が行なっている
彼らはそう言ったことに関してはとても勤勉でな 仲良くしてもらえるといいのだが
同じ従業員だしな」
そこは大丈夫か?とクーロがディアーヌに聞けば
「最初は戸惑うと思いますが 慣れれば大丈夫だと思います
ですが、あの、ホブゴブリンといったらあの、言い方は失礼ですが 魔物ですよね?」
「いや、彼らは見た目で誤解されているが妖精族だ
この城でも昔から働いてもらっている 人間族は見た目で彼らを魔物だと思って襲うので、私が生まれるずっと前に保護を求めてやってきたりしてるのだ」
3代目魔王の頃から定住しているホブゴブリンもいるが
彼らは魔族となっているため正確に言えば少し違うのかもしれないが
元は同じ妖精族であるため 種族特有の勤勉さには変わりはない
ただし、魔族のホブゴブリン族の肌の色は薄緑で見た目もどちらかというと人族に近いので新しく来たホブゴブリン族たちもいずれは見た目が少しかわるかもしれない
と簡単にディアーヌに説明をする
「そうだったのですか・・・」
「まぁ、いきなり慣れろとはいわん
居住区は分けているからな こちらから危害を加えようとしなければ
彼らは基本、温厚な種族だからな 少しずつ、なれていけばいいと私は思うぞ」
「はい」
では、次は家族用の家を案内するぞとクーロが明るく言えば
ディアーヌもお願いしますと気持ちを切り替えて クーロに続いて次の家へと向かって行った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます