第17話

狼族の宿泊している場所へ到着したクーロとシィ

そして迷子の狼族のココ


大人たちは痩せた体躯の者が多い だが、そんな大人たちの周りには子供が元気に走り回っていてそんな子供達を見る大人たちの目は優しい


「あ!お母さん!」


クーロに抱かれているココがそう言って指をさす方向にはキョロキョロと誰かを探している大人が一人 そしてこちらに気付き 慌てたように走って来る


「ココ!!どこに行ってたの!?」


クーロはココを下ろすとココは母親の方へ走って行く

母親はココを抱き上げてホッとした表情になったあと こちらに向かって歩いて来る


「あの、娘を連れて来てくださりありがとうございました」


「ありがとー」


どういたしまして よかったねお母さんと会えてとクーロはココの頭を撫でながら返事をする そして女の子だったのか 子狼の性別が可愛すぎてわからなかったと思っていたりする


ココを抱き上げている母親もやはり痩せている

子供たちが元気ということは食べ物などは子供を優先に与えていたのだろう

周りを見れば年寄りもいるので本当に村単位でここに応募してきたのだろうということが見て取れる


「食事は足りてますか?」


クーロがそう尋ねれば母狼はこちらにきてお腹いっぱい食べさせていただいていますと返事を返して来る


「ごはん 美味しいよ!」


ココも元気に返事をするのをクーロはよかったと笑顔になる


「足りなかったらここの宿泊担当者にきちんというんだよ?」


「うん!」


「あの、本当によくしていただいているので」


「それでも、ですよ」


クーロは働きに来てくれたのだ 最低限の衣食住は保証するし、食べることは心を満たすことだと思っている よくエスドが仕事で疲れているクーロのためにクーロの好物を準備して休憩に出してくれてるのを知っている

それを食べると残りの仕事も頑張らねばとやる気が出るのだ

美味しいものをお腹いっぱい食べる 元気の源だ


狼族のここに来るまでの生活を考えれば毛艶がよくなって元の元気な姿に戻ればいいなとクーロは考える

そんなクーロの考えをなんとなくわかるシィは後で担当者に魔王様が狼族に目をかけているので雑に扱わないようにと一言いっておこうと考える


しばらく雑談を交わした後 そろそろ戻りましょうかとシィに促され

ココたちと別れたクーロは城に戻ることとなった





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