第10話
翌日、いつも通りの時間に仕事を始めるクーロとクーロの補佐をするエスド
クーロはエスドの書類の罠にかからないようにだが、出来るだけ早く仕事を終わらせるために集中して進めていく
そんなクーロにエスドはやれやれと思いながらそれでも手は抜かない、就任してまだ3ヶ月も経っていないのだ やりたいことだけやらせていては魔王としてやっていけなくなってしまう
そして、集中力というものは長くは続かない 適度に休憩をはさみつつ
クーロはどうにかこうにか仕事を昼前までに終わらせる
そしてゴウワに伺いの連絡を取れば昼食を一緒にどうか?という返事をもらい了承しすぐに部屋に向かう
「ゴウワ将軍、お昼のお招きありがとうございます。」
そういって部屋に入ればゴウワと向かい合って座っている男性が目に入る
ゴウワと比べると細身の男性だが部下ということなので同じゴーレム族なのだろう
が、ゴーレム族といえば人型になると大体が筋骨隆々になるので細身なのは逆に珍しいとクーロは思いつつも ゴウワの横を進められるままに座る
「はじめまして魔王様 私はゴウワ将軍の部下の一人、建築部門の責任者を務めております
ソクリ・ヨウと申します 今回の件、将軍からお話を伺い、ぜひともご協力をさせていただきたいと思っております」
「こちらこそ、はじめまして この度魔王となったクーロ・ウ・ニーンだ
協力感謝する これから色々と頼りことになると思うがよろしく頼む」
クーロはソクリと名乗った男に頭を下げる 言葉使いはエスドに教育されているため
ゴウワに対する口調とは変えてある
ゴウワやエスド、他数名が歴代の魔王に仕えて来た重鎮であり、クーロよりもはるかに年上だがその部下には魔王として対応しなくてはダメだと 本来であればその重鎮たちにも言葉使いは魔王としてと言われているのだがそこはクーロがどうにかこうにか粘り許可をもぎとったのだ
というわけで、慣れない言葉使いでソクリと挨拶を交わす
ゴウワが某にもその言葉使いで構わんのだがなぁと横で言われたが
そこはそれ、クーロは断る
「魔王城の3階部分までの改装ということで、それぞれの階ごとに違う特色を出して見てはどうかと将軍と話していたんですが、あとでくわしく説明しますね」
侍女が昼食の準備ができましたと呼びに来たので3人は移動し食事を先にすませることにした
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