第28話研究チーム

久しぶりに研究員を呼んだ。


「先生、久しぶりです。」


「良く来てくれた。」


五人集まった。


「まだ、あの研究してますか?」


「いや、スポンサーが集まらなくて断念しました。」


「今は心配ない。優秀な精子と卵子を集めて欲しい。」


「了解しました。」


圭介は、精子と卵子を受精する前に凍結させて錠剤にする。


うつ病に効く薬を開発したのだ。


受精する前の段階は、生卵と同じ要領だ。


しかし、相性が悪いと錠剤には出来ない。


「先生、わたしを覚えていますか?」


「君は…。」


久しぶりの再会だった。


久本絵里。


当時は未成年だった。


「久しぶりだね、綺麗になったね。」


「わたしに少し考えがあります。」


絵里は、圭介の耳元で囁いた。


彼女の考えは精子と卵子が受精し凍結させてたものを自分に受精させて欲しいと。


「それは…。」


「考えておいて下さい。」


圭介は非人道的だと思った。


重ねれば良い訳ではない。

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