第20話悪夢

圭介は、悪夢を見た。


力が全てを壊し孝と圭介が死刑にされる夢だった。


力と恵、緑は笑っている。


全てを支配してきた孝は弱々しく項垂れていた。


圭介は、心臓が破裂するようだった。


目覚めた後、孝に連絡をした。


【何だ?】


【すぐに遥香を解放しよう。】


【くだらん、今さら手離してどうなる?】


悪夢を話した。


【くだらん、お前の頭は遥香の事ばかりだな。】


一方的に電話を切られた。


工場に着くとすぐに遥香を見に行った。


スヤスヤと遥香は寝ていた。


内心、心配だったのか孝も見に来た。


いつもどおりの仏頂面で孝は遥香と圭介を見つめていた。


「力は元気ですか?」


「ああ、あいつは天才だ。だからたまに恐くなる。」


「革命でも起こさないと?」


「そうだな…。やはり力には遥香が必要かもしれない。」


孝は、遥香を起こして自宅に戻った。


母親の包容には力も悪い気はしないだろう。


悪夢が頭から離れない。


心療内科で見てもらうかな。


それぐらい圭介の心は病んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る