第19話疑惑

ある日、圭介は見てしまった。


遥香の牢屋から出て来る孝に…。


力は、俺と遥香の子供じゃない。


孝と遥香との間に産まれたのは力なのだ。


それから、圭介は力を無視した。


家に帰ると圭介は恵の部屋の扉を叩いた。


中からヤバいよ…。


と聞こえた。


いつか力と恵は肉体関係になる事は察していた。


圭介は、何も言わないで自分の書斎に入って血は争えないなと感じた。


食後に力を書斎に呼んで全て話した。


「だから、君は父親は孝だ。孝の家に戻りなさい。」



「…。」


「恵を弄ぶのは良いがもう家族ではない。」



「分かりました。」


力の表情までは見えなかった。


孝に電話を入れて明らかに戸惑っていた。


それくらい遥香は美人なのだ。



「分かった力はわたしが預かる。」


心ここにあらずと言った返答だった。


父さんの弱味を握って嬉しいはずなのに涙が溢れた。

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