第15話溢れでる

「まるでわたし家畜みたい…。」


遥香は、圭介に抱かれた後にぼやいた。


「その通りだよ。」


「バカにしてるの?」


「世の中は弱肉強食だよ。でも俺は、遥香を愛してるから違うけどね。」


「こんな牢屋に入れて何が愛よ!」


圭介は、小さくため息をついて遥香の体に鞭を入れた。


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「遥香、君は支配する側になれたのにそれを捨てて自ら家畜になったんだ。」


「子供に会わせてよ。」


「それは無理だ。遥香は俺の事だけを考え行動すれば良い。」


「…。」


「そうしたら世界の扉を開けられる。」


圭介は、服を着て牢屋から出て行った。


そして工場長室でソファーに体を投げ出して泣いた。



どうして遥香は俺を愛してくれない?


自問自答は続いていく。


遥香が隣で笑ってくれていれば圭介は何もいらなかった。


そこに孝が見た事のない研究者を連れて入って来た。


「圭介、あの女に手を焼いているようだな?」


「別に…。」


「この緒方政市先生がお前に協力したいと言っている。」


「緒方です。わたしは、惚れ薬なるものを発明したいと考えているバカな研究者です。」


「被験者を遥香にという事ですか?」


「その通りです。」


緒方は、作り笑顔が上手かった。


遥香の食事に妙薬なる惚れ薬を入れた。


緒方は、最初は少量でと言って圭介の血液を抜いた。


「先生、俺の血を抜く訳を聞かせてくれませんか?」


「それは秘密です。わたしは、これでノーベル賞を狙っています。」


「結果と報告は?」


「それはします。」


最近の圭介は、緑ばかりを抱いている。


遥香の事を諦めたように。


子供は大きくなるのが早い。


圭介と緑の子供は恵と名付けた。


恵は、少しシャイな女の子に育った。


緑の生き写しを見ているかのように恵は


緑にそっくりだった。


圭介と遥香の間に産まれた子供は孝が育てていた。


凛としていて美形だった。


名前を力と父が名付けた。


緑は、力に好意を抱いているようだ。


力がママは?


と言うと孝は力を殴り厳しい教育をした。


力は、ママとは言わなくなった。


孝は支配する側になれ!と言っていた。


圭介には、何も言わなかったのに…。


その間に妙薬は効果を表し始めた。


牢屋に行くと全裸になった遥香が圭介を求めていた。


自分で身体中を触って圭介を見て絶頂に達していた。


緒方は、大喜びで学会に出す資料を作成し始めた。

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