第14話欲望のままに

「わたしを…。無理矢理抱いたって永遠にわたしはあなたを愛さない。」


「俺は、そんな不可能な事は考えてない。」


「じゃあ、何で?」


「君の体も心も俺には呼吸なんだ。空気だよ。」


「変なの、哲学?」


「哲学?哲学なんて人間が勝手に作った言い訳だ。」


「つまりは、君は呼吸程度で緑は深呼吸なのさ。」


「排気ガスよりはマシッて訳?」


「ああ、君はここで俺の優秀なDNAを産むだけの女王蜂って訳だよ。」


「狂ってる。」


「君もね。」


「全ては君次第だけどね…。あぁ酷く疲れた。」


圭介は、部下に遥香を個室に閉じ込めるように命令した。


「昔のあなたの方がマシだった。」


圭介の手が遥香の頬にぶつかった。


「うるさい。黙れ。」


圭介が自宅に戻ると満面の笑みで緑は向かえてくれた。


やはり深呼吸と呼吸は別物だと圭介は割り切る事にした。


そして未来の展望を寝ながら緑に話した。


そこは、楽園の話だった。

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