第25話危機感

「力の強さは諸刃の剣ですよ。」


「お前も気がついたか…。」


孝と圭介は頭を抱えていた。


「力は、自分でもサラブレッドになり得る被験者犯してますよ。」


「違う、あれは現場体験だ。目をつむれ。」


「大丈夫なんですか?」


「はぁ、少し政治をかじらせる。俺の秘書として。」


「第4工場はどうするんですか?」


「お前に併用して欲しい。」


「つまり第1と第4工場を掛け持つという事ですね?」


「ああ。」


「圭介、お互い老いたな…。」


「はい。」


「お前には感謝している。」


「老人ホームと第四工場の様子を見て来ます。」


「あぁ、任せたぞ。」


力から仕事内容は聞いていた。


しかし、モニターに写るのは天国と地獄のようだった。


首輪をされた人間達が交尾しているのに隣の老人ホームは穏やかでみんな静かだった。


少子高齢化が全く逆なのだ。


高齢者の背中にはゼッケンのようなものが付けられていた。


たぶん、病気で長くはないのだろう。


家畜達はせっせと交尾をしている。



藁が敷かれている中で…。


もう同じ人間ではない。


そこで圭介は考えた。


老人ホーム側から家畜達が見えるようにするのだ。


そうすれば長生き出来るだろうと思った。

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