第17話再会
力を遥香に会わせるには薬をやめてちゃんと服を着せなくてはいけない。
薬を抜くと遥香はイライラして興奮して何度も檻に体をぶつかり始めた。
絶叫する。
しかし、薬を一ヶ月かけて抜いた時に遥香は正気に戻った。
服もちゃんと着るようになった。
これなら力に会わせてれると感じ圭介は檻じゃなく個室に遥香を連れ出した。
遥香は、廃人のようになっていた。
圭介の事を微かに覚えていた。
二ヶ月が過ぎると表情や感情が戻って来た。
力を遥香に対面させた。
お腹にいる子供も順調に育っていた。
「母さん!僕の事覚えてる?」
力は、涙声で聞いた。
「力…。」
微かに覚えていた。
「僕が大きくなって政治家になったら母さんを向かえに行くからそれまで待ってて。」
「うん…。」
遥香は、不思議な顔をしている。
力の野望は孝を越えるだろうと圭介は思った。
力は、帰りの車の中で感情がないような表情をして涙を流していた。
これで力は圭介、恵、緑の家族になった。
力は、小学生になりいつも女の子が力の側にいた。
不特定多数だった。
美少年という以外に力を表現をする事が出来なかった。
バレンタインには大量のチョコレート。
ラブレターの数は百枚を越えていた。
勉強は全て満点。
容姿端麗、才色兼備がぶつかり合って化学反応が起きているようだ。
圭介にも遥香にも似ていた。
恵すら近づけないオーラを放っていた。
力の野望は大きい。
まずは孝をどうするのか?圭介をどうするのか?
しかし、力が中学生になった時にあまりにも相手にされなくて力が自分に暴力を振るったと嘘を付いた女の子がいた。
天童優衣であった。
優衣の父親は孝の会社のスポンサーだった。
優衣は、それを分かっていて力を振り向かせようとしていた。
力は関係ないとばかりに優衣を無視した。
そこで久しぶりに孝が力に会いに来た。
会うなり孝は力を殴ろうとしたが簡単に力に交わされた。
力は、容赦なく孝を殴り蹴りまで入れた。
圭介が力を止めなければ孝は死んでいただろう。
力の大きな瞳に孝と圭介は呆気にとられていた。
孝はばつが悪そうにさっさと退散した。
「あんな奴、死ねば良かったんだ。」
力は、自分の拳を見つめて呟いた。
「力…。」
圭介にはかける言葉もない…。
「お父さん、次止めたら俺、お父さんも殴ってしまいそうだよ…。だから止めないでね。」
力は、低い声で言った。
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