概要
月が冴える空の下、わたしは「あなた」に恋をする。
「月が綺麗ですね」
声を出すことが苦手な望月葵に届いた、見知らぬ相手からのSMS。
それは、氷上朔也が亡き祖母の番号に向けて送った、誰にも届かないはずのメッセージだった。
季節は秋。
顔も名前も知らない二人が、文字を通して出逢い、繋がる物語。
声を出すことが苦手な望月葵に届いた、見知らぬ相手からのSMS。
それは、氷上朔也が亡き祖母の番号に向けて送った、誰にも届かないはずのメッセージだった。
季節は秋。
顔も名前も知らない二人が、文字を通して出逢い、繋がる物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!欠けていた月が満ちてゆくように近づく、ふたりの距離
登場人物からストーリーの動きまで、月の満ち欠け(朔望)になぞらえて、ふたりの恋愛模様が美しく描かれます。「月がきれい」は手垢のついた表現ですが、作者である彩瀬さんのアプローチは、現代をうまく取り入れて、新しささえ感じられました。
顔の見えないやりとりであっても、互いを気遣い、真摯にあったからこそ、対面を果たしても揺るがない葵と朔也の想いに、憧れを抱かずにはいられません。単なる恋愛だけでなく、ふたりを社会人とした意味を、働きかたを認め合う姿で描いたのもポイントです。
静かに満ちてゆく月のように、ゆっくりと惹き合うふたりの物語。
一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。