男爵家に嫁いだものの夫のアルベルトからは全く相手にされず、さらに義母の死とともに離婚を言い出されたクロエ。彼女は離婚する条件として、生前に義母から譲られたあるものをひとつだけ頂戴していくのだが……。
離婚後、義母から譲られたものの影響もあってどんどん成功していくクロエ。一方元夫のアルベルトはクロエを手放したことで、ものすごい勢いで落ちぶれていく。ここまでだったらスタンダードな「ざまぁ」展開なのだが、そこにスパイスを加えるのがアルベルトの愛人であるマリーの存在。
商会の娘である彼女はクロエの存在が邪魔になると考え、言葉巧みにアルベルトを操って、クロエを追い落とそうと暗躍する。このマリー、狙い自体は悪くないのだが、駒として動くアルベルトが凡ミスを繰り返し、思わぬ形で周囲の地雷を踏み抜いていく様子が大変面白い。
「ざまぁ」的な要素はあるもののアルベルト側の自滅という側面が大きいため、そこまで陰惨な内容にはならず、またラストにはちょっとした救いもあって、爽快感ではなくしみじみとした読後感が味わえる内容に仕上がっている。
(「裏切られた人々」4選/文=柿崎憲)
義母である商会持ちの男爵に請われ結婚したヒロインであったが、婚姻前からライバル商会の娘と恋愛関係の夫から、義母死後まもなく離婚を告げられると、夫に手切れとして邸にあるものを一つ所望。それが爵位であり、後元夫から解雇された執事も邸を出る際に元夫からあるものを一つ頂戴する事を望み、それが男爵位の印であり、ヒロインと執事が結託した結果、男爵位を奪った形となり、商会のみ元夫名義とするも、邸は男爵となったヒロインが売却処分とし、元夫の住まいを奪い、商会においても元夫の商才や心遣いの無さ故、取引先からの信用を失い、商会が傾く展開は天晴と言えましょう。その後、元夫の恋人の策略でヒロインが生前義母から男爵位を強奪したとでっち上げと訴訟した裁判での証拠偽装工作で使用した魔道具に録音機能の他に録画機能があり、偽装そのものが芝居仕立ての映像で映し出される結末に感動しました。
この作品の良さは、最後にヒールであった元夫とその恋人が転落した身となっても、不幸のままのエンドとせず、目的を持って生き行く術を得ている事では。
平民ながら優秀さを見込まれ女男爵の令息に嫁入りしたヒロイン。その優秀さで男爵家とその商会を支えますが、義母である女男爵の死の直後に夫から離縁を求められます。もちろんその夫の隣に浮気相手はお約束w
1つの条件付きで離縁を受け入れたヒロインの栄達とハッピーライフを夢見る元夫の転落のお話。
あくまで個人的な復讐ではなくやったことへのケジメを付けさせるスタンスのヒロインですが、だからといって容赦はありません。爽快なざまあが楽しめますw
新鮮で面白かったのは浮気相手。頭お花畑タイプでなく奸知に長けたタイプで元夫を操り人形にしますが、この人形の出来が悪すぎて打つ手が悉く失敗していくのは気の毒になるほどw
一番のオススメは最終話の番外編。かなり予想外というか意外なエンディングで、正にハッピーエンドタグに相応しい一話。