勇者が死んだ世界を救う方法

魔王討伐前に勇者が自殺し、その事実を帝国が隠蔽した。
何も知らぬ人々は、ハリボテの平穏を疑うことなく過ごしておりーーアルニもまた、その一人であった。
所属していた傭兵団の解散を機に、新たな職を探しながら生活費を稼いでいた彼は、とある魔物討伐依頼で、絶体絶命のピンチに陥る。それを助けてくれたのが、ティフィアという少女と、リュウレイという少年だった。
「―――『勇者』を必要としているこの世界はきっと、救われてない。僕は、救いたい」
だから、
「僕と一緒に、世界を救ってくれませんか？」
混迷を極めたこの世界で、彼らは各々歩み始める。
勇者が自殺した理由。終わりなき戦争。囚われる過去。縛られる意志。
『救い』の本当の意味とは―――？