一章 闘技大会にて
0.―――
100年に一度、深淵から生まれし魔王が目覚めるとき、世界は未曾有の危機に陥るだろう。
しかし、世界を愛する女神レハシレイテスの御力により、魔王と対の存在たる勇者が選定される。
選ばれし者は、体のどこかに“勇者の証”を刻まれ、その身に女神の加護を授かる。
勇者は、魔王を倒すことを使命とし、魔の者を屠る力を振るう。
勇者は『希望』であり、『救い』である。
勇者は女神の『剣』であり、『盾』である。
勇者は、人々を守り、世界を救う。―――人々の平穏な暮らしと繁栄と、そして、未来のために。
女神教教典 第Ⅰ章の冒頭より、抜粋
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