恋と料理と異世界と

ジョッキを持つ手が微かに震える。思った以上にジョッキが重かったのか、隣に女の子がいるからなのかは分からない。そのまま机にゴトリと置いた。
「アスカさん」
ジョッキを掴んだまま、アスカを見つめる。
「なんですか？」
少しキョトンとした表情から、師長の熱い視線を受けて、少し緊張を覚える。
「もし良かったら……その……」
目線をジグザグさせながら、なんとか伝えようとする。
「はい」
アスカはにっこり笑った。
「え？」

ーうふふ。ドギマギした師長がとても可愛い。私も不慣れだけど、多分師長の気持ちが分かる。

「私も……なんです」
「……まさか……」
「その、まさか……」

ー頬を赤らめるアスカさんがとても可愛い。いや、前から可愛い…続きを読む