第十七章 最後の晩餐

空は灰色の雲が敷き詰められ、井戸から出てきた時よりもそれは変わっていないが、それよりもさらに薄暗くなっていた。


師長「もう夜なのかな」

姫「陽はでてないけど、暗くなってきてますわね」


しばらくの沈黙の後、ぐぅ〜と姫のお腹が鳴る。


勇者「ははっ腹減ってんのかよ!……食べようか!」

姫「ウザ」


俺達は先程倒した落ち武者を食べることにした。


師長「これを食べたらあとは……」

姫「殺るだけですわ」


なんか俺にまで殺意向けられたような気がしたけど、多分……多分気のせいだ。


オカン「いっぱい食べやー!」


出てきたのは、決闘の夜に相応しい、落ち武者のステーキ。


姫「キラキラ、キラキラしてますの!」


姫の目もキラキラしている。


「じゃあ早速」

「いただきまーーす!!」


姫「あ、とろける、口の中で、とろけてゆく……」

アスカ「うん、本当に肉がほぐれていきます……すごい柔らかい」

師長「脂がのってて、ブラックペッパーの刺激が肉とマッチしてる」

勇者「焼き加減もミディアムで丁度いい!今まで食べた中で最高だ!」

オカン「ほんまぁ、嬉しいわぁ!」


オカン、喜びの舞。


「ごちそうさまでした!」

師長「今から向かうには、暗すぎるね」

姫「井戸で休んだから、眠くもありませんわ」

勇者「ほこらの周辺で経験値をためて、夜が明けるのを待つか」

オカン「それがええやん、兄ちゃん、ナイス」


上機嫌なオカンにグッドサインを貰い、一行はほこらを後にした。

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