第十四章 キングパフパフのフレンチトースト

「みんな、忘れ物はないな!」


みんなは晴れ晴れした表情で頷く。


「よし、街を出よう」


宿主に別れを告げて、一行は街を出た。


アスカ「ダンジョンというのは、やっぱりまだまだ遠いのでしょうか?」

勇者「いや、そう遠くはないらしい。と言っても結構歩くっちゃ歩くらしいけど、このまま下っていけばほこらがあるらしくて、それが見えたらもう近いらしい」

師長「じゃあ、とりあえずはそのほこらにたどり着ければいいんだね」


実は昨日、武器屋でモンキャについて聞いていた。そう遠くはないということと、ほこらがあるということを武器屋は知っていたのだ。


姫「兎にも角にも、お腹が空きましたわ」

街を出て何時間か歩いただろうか。確かにお腹が空いてきた。

勇者「そうはいっても、そんな都合良く魔物に遭遇なんて」

アスカ「あ、いた」

勇者「え!?」

師長「キングパフパフだ!」


見た目は鋭い瞳孔をしたスポンジ〇ブだった。しかし両手に斧を持っており、まるで


勇者・姫「サイコパススポンジ〇ブ」


オカン「とにかくやっつけるで!」

勇者「ま、まて、これは無闇にパンチや足蹴りよりも……」

師長・姫「私(あたし)の出番だね(ですわ)」


剣と呪文だ。これでダメージを大きくできるだろう。


師長「じゃあ、殺るよ」


首をコキコキ言わせながら、師長はスジャータ(攻撃魔法)を唱えた!キングパフパフに40のダメージ!

姫が剣の二刀流でぶった斬り、キングパフパフに53のダメージ!

キングパフパフが勇者に34のダメージ!

アスカが薬草を使い勇者の体力を回復!

最後に勇者がキングパフパフに58のダメージ!

キングパフパフを倒した!



オカン「はいおまち!」


キングパフパフを制した俺達は、オカンが料理を終えるのを待っていた。


姫は「ふ、フレンチトースト!?」

オカン「そや。エッグデビル倒したやろ、そん時に卵回収して、冷凍させてたんや。ほんで、砂糖が無くてな、みりんはまずいなーおもて、ジャングルで取った実から絞り出した汁を入れてみたんや」


エッグデビルを倒したのも、ジャングルで実を取ったのもまあまあ前の話だが、オカンの保存能力には感心させられた。


「じゃ、いただきまーーす!!」

師長「うわぁ、すごいふわふわしてる」

アスカ「卵が中まで染み込んでいて、歯がなくても食べれちゃう」

姫「確かに甘いけど、果汁を使ってるから後味が凄くさっぱりしますわ!」

勇者「焦げ目も良い感じで、大人な味だな!」


無心に頬張りながら無事に完食。オカンの料理は飽きがこなくて絶品だ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る