矢田隼人side

第16話

どいつもこいつもムカつく。

俺のやりたいことは否定される。

お前に夢なんて無理だ。

そういった親父は母親を捨て新しい女の元へ向かった。


母親も、俺を厄介者扱いだ。

どいつもこいつもムカつく。

俺はどうすれば良かった?


「あ?何ジロジロ見てんだ」


どいつもこいつも俺をゴミのように。

そんな俺にも見方がいた。


「こら、隼人?喧嘩はダメと言っとるだろうに」


そう言っていつも俺を怒るばあちゃん。

俺はばあちゃんといる時間はすごく好きだった。


「いいかい?お前の歌声はとっても綺麗で耳に残る。夢を諦めちゃいかん。」


いつもそう言ってばあちゃんは俺を助けてくれた。


「お前が行きたいって言ってた学校に行きなさい。」


学費なら貯めてきた。なんて、微笑むばあちゃん。俺は絶対プロになってやる。

見てろよ。

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