第9話

「ゆかちゃーんおはよ!」


そう言って私の机の前を囲う柚木園さん。


「ねね、今日こそクレープいこ?」


柚木園さんは、お願いと潤んだひとみを私に向ける。


「あっ、えっと、、」


どうしようかと悩んでいると


「まゆ、やめときな、また断られるだけだよ。」


クラスの天海可憐さんが言う。

柚木園さんはでもーっと、言うが

天海さんに睨まれ


「今日も、その、すみません」


と、私は断った。

柚木園さんは残念、といい私の席を後にした。


「お前、ぼっち?」


ボソッと隣に座ってる矢田くんが声をかけてくる。


「ち、違うよ!ただ、」


矢田くんと居る方が落ち着くなんて言えるわけもなく、ごもるわたし。


「ただ?」


「クレープが苦手だし、矢田くんに負けて奴隷になるのがいやなんですー」


なんて、笑う私。


「ふーん、せっかくクレープの50%OFFのクーポン貰ったのに」


ヒラヒラと見せつけてくる矢田くん。


「なっ!!ずるい!」


「クレープ嫌いなんだろ?」


「好き!けど、」


なんて言えばいいか分からず

黙ると矢田くんは

へいへい。学校終えたら行くか。


そう言って矢田くんは机に寝そべった。

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