ライバルはきになる?

第8話

数日が立ち未だ私は苦戦している。

矢田隼人。

私のライバルだ。

不良と言われた彼は相変わらずクラスでは態度が悪く

よく噂を聞く。


だけど本当の彼は優しく歌声が綺麗な少年。

そんな彼と私には約束事がある。

どちらがプロになるか、負けたら奴隷。


決して負けれない。

家も隣で席も隣

なのに、彼がきになって集中が出来ない。


そもそも、私だけしか知らない素顔。

相変わらずの彼。


「ゆか、お前太った?」


学校ではお互い話さないくせに

今はベランダでよく話すようになった。


「なっ、レディーにたいして失礼!」


「え?女だっけ?」


ちくりと痛みを感じる。

今のは何?


「なっ!」


「嘘嘘、ゆかは可愛いよ。」


ニヤニヤと笑う矢田くんは

いつものように私をいじめてくる。

可愛いと言われドキッと高鳴る鼓動。


「あーも!お風呂いってくる!」


恥ずかしさのあまり逃げるように部屋の中へ入ろうとする私。


「ゆか」


名前を呼ばれ振り向くと


「今日の下着は黒?」


なんて言うもんで


「ば、ばか!!早く寝ろ!」


そう言って勢いよく窓とカーテンを閉めた。

少しでもときめいた自分が馬鹿みたいだ。

絶対矢田くんになんか負けない。

そう、決心した私だった。

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