第12話

手を捕まれグイグイ引っ張られる私。

天海さんや柚木園さんは既に見えなくなるくらいまで歩いた。


「や、矢田くん!?」


「わりぃ、痛くなかったか?」


矢田くんはそう言うと握りしめられていた私の手を見る。


「これくらい平気だよ」


全然痛くないなんて笑うと彼は安心したのかそうかと言い近くにあるベンチに座った。

私もぺたりと彼の隣に座った。


「あ、クレープもらい損ねた!!」


せっかく矢田くんが買ってくれて、落とされて柚木園さんが買ってきてくれたのに、、

今日は本当についていない。


「あーそれならここにあるぜ」


チョコだけど。

そう言い残し、彼は自分の食べていたクレープを私にくれた。


「え?いいの?」


って、これ間接キスじゃない?


「いらねーの?」


「い、い?いる!?」


勝手に意識し始める私。動揺して言葉が変になる。

それを見て矢田くんはクスクスと笑う。

その度勝手にドキドキと音を立てる心音。




ねぇ、矢田くん
















貴方が好き




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