第11話

「やっぱり!」


そこには、柚木園さんと天海さんがいた。


「は?まゆのこと断ってあの、矢田と?うけるんだけど」


天海さんはそう言うと私の胸ぐらを掴む。


「あんた、調子乗んなよ?」


耳元でぼさっと静かな声で言い放つ天海さん。

矢田くんから貰ったいちごクレープをドサッと落とす。



「可憐ちゃん!やりすぎ」


柚木園さんはまったくと、天海さんを止める。


「ごめんね?新しく買ってくるよ?いちごクレープでいんだよね?まってて?」


私は黙り込み、近くのベンチに腰をかけた。


隣には申し訳なさそうな顔をする矢田くん。

別に矢田くんのせいじゃない。


「なに?矢田と出来てんの?」


ボソリと天海さんは言う。


「違うよ!矢田くんは友達。」


「は?うけるんだけど笑何それ」


嫌味ぽく、笑う天海さん。


「お待たせ!はい、いちごクレープ!ごめんね?ゆかちゃん」


柚木園さんは優しいく微笑む。

柚木園は可愛くてクラスいち、もててる女子。


「あ、どうも。」


「矢田くんもごめんね?」


「別に。おい、ゆか帰るぞ」


そう言って無理やり私の手を引っ張る矢田くん。


帰り際に柚木園さんが言ってた言葉は

聞こえなかった。

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