概要
これは、落ちこぼれの俺にとって新たな脅威の出現という他なかった。だってこの教科、わけの分からない抽象的な言葉と説明のオンパレードだ。さっぱり訳が分からない。
大体、何千年も昔の人が考えてたことなんて、知ったところで何の役にもたたねーよ!
半ば逆切れ気味で教科書と格闘していたある日、俺は地元のカフェで、ものすごく意外な人物に遭遇した――
美人、色っぽい、可愛い。
――最強の三拍子をほしいままにしているその人は、俺の学校の倫理の教師だった。
ひょんなことから始まった軽音部所属の落ちこぼれ高校男子×毒舌美人教師の西洋哲学な物語、ここに開幕!
参考文献
第一学習社編集部(2013)『テオーリア 最新倫理資料集』教育図書出版
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!学ぶきっかけは、むしろ学びとは関係のないところにある!
『落ちこぼれであるかどうかは、周りが決めることじゃない。あなた自身が決めたこと』
とっても素敵なセリフだなぁ、と思いました。学ぶきっかけは、むしろ学びとは関係のないところにある、そんな風に思います。
哲学と言うと、簡単なことを難しくする学問なんて思われてしまうこともありますけど、そうではありません。やや硬い言葉で言えば、哲学の目的は難解な思想にふけることなのではなく、目の前の問題の、実際的な解決を目指すために、より優れた思考原理を構築することにあると言えます。
つまり、この世界に当たり前に存在すると思われているようなものを突き詰めて考えたとき、そこに浮き上がる違和感に対して、ど…続きを読む - ★★★ Excellent!!!凛として可憐な小春先生の熱弁が哲学の深淵を華麗に魅せる!
学校じゅうの憧れの的である小春先生が友人相手に毒舌を振るうところにある日偶然居合わせた晴人。
小春先生の専門でもある倫理の授業にとにかく苦手意識のあった晴人は、先生を脅迫するほど切羽詰まった様子で倫理の個人授業をお願いすることになります。
しかし、可憐な唇から紡ぎ出される刃物のような毒舌に彼の心は切り刻まれて……。
晴人君を貶めて翻弄する先生ですが、いざ大好きな哲学の話になると、瞳を輝かせながらソクラテスやプラトンの話を楽しそうに始めます。
先生の魔法にかかれば、当時の哲学者が生き生きとした姿でイメージされ、彼らがなぜそのような考え方を見出したのかがすんなりと頭に入ってくるから不思議です。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!哲学って難しい?いえいえ、そんな事はありません。
哲学?何か難しそう。
そう思っている人は多いでしょう。頭の固い昔の偉い人が偉そうに語っているのが哲学、自分も昔はそんな偏ったイメージを持っていました。
このお話の主人公天野君も、そんな哲学に何の興味もない高校生の男の子。
しかしある理由からどうしても成績を上げなければならなくなり、美人教師に教えを乞うというのが大まかなストーリーです。
最初は成績を上げる事だけが目的だった天野君ですが、先生から個人授業を受けているうちにだんだんと哲学の世界に惹かれていきます。読む側としても彼と同じように哲学に触れていくので、彼に共感すること間違いなしです。「そうだよね」「自分もそう思った」そんな感じで、難しい…続きを読む