第15話 俺の忠告として幼女にビキニを着せるお父さんに言いたいことがあるのだが世の中の男は獣なので大事な娘さんにそんなものを着せるよりもワンピースタイプで落ち着いた方が安心できるでしょうということ

「第二の間の番人、夏美なつみだよっ!」


 快活そうな幼女だった。浅黒く日焼けしており、ビキニの紐だけ白いのはそそられるモノがある。ビキニも緩そうで、引っ張ったらずれそうだ。

 手にはヌンチャクの様なモノを持って振り回しており、素早さで相手を翻弄しつつダメージを与えていくスタイルであることは容易に想像できる。

 これをやすみちゃんはどう料理するのか――


「えい。空間湾曲」

「えっ? きゃああああああああああああ」


 悲鳴を上げて、浅黒い少女は目の前から突如として発生した黒い空間に呑み込まれていった。

 第二の間の番人、撃破。


「ひめこぉおおおぉ」

「や、ごめんっす。なんか危険な気がしたんでついやっちゃったっす。てへっ」

「危険?」

「幼女露出危機っす。あのままで放映禁止になってしまっていたっす。モザイク処理が非常にめんどくなるっす」


 最近は児童ポルノに五月蠅い世の中になってしまった。今では家族のホームビデオまでビクビクしなくてはいけない、お父さんキラーだ。昔は普通に描かれていたのに。何それ。いい時代。タイムスリップしたい。


「さっきからアッキーが壊れている気がするっすよ」

「気のせいだ。それより先に進もう。――な? 次こそは完全にやすみちゃんに任せるから、機嫌を直してくれよ」

「……絶対だぞ」

「ああ。次はきっとだ。姫子も手を出すなよ」

「ういっす」


 敬礼をして誓いを示す姫子に、やすみちゃんはじとっとした目を向けながらも、今度は誰にも邪魔されない様に先頭に立って進んでいく。

 同じように階段を上り『第三の間』の扉に手を掛ける。


「……いいか。私だぞ。私がやるんだぞ?」


 入る前にしつこいくらいに念を押して確認するやすみちゃん。まるで冷蔵庫のケーキを食べない様に警戒する幼子みたいだ。

 背部にいる面々にも警戒を払って、やすみちゃんは扉を開く。

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