俺だ ~名前を呼ばれると支配権を持つチートな俺が異世界を救う件~

狼狽 騒

第1話 俺の自己紹介

 俺の話をしよう。

 俺の名前は佐藤さとうあきら

 高校一年生。

 ありふれた苗字。

 ありふれた名前。

 加えて、どこにでもいそうな、モブのようなごく平凡な容姿。

 因みに父親はサラリーマンで、母親は専業主婦。ごく普通の家庭である。

 そんな標準を通り越したスタンダードな俺。

 だが、そんな俺には、一つだけ、かなり特異な体質がある。

 

 それは――【下】ということ。


 何だ普通じゃないか、むしろキャラ付けしていて気持ち悪い、なんて思われるかもしれない。

 だが、その特殊たるや、多分、その感想を述べた人の想像を超えているものになっている。

 何故ならば、返事は必ず実行されるのだ。

 どんな年齢の時でも。

 どんな状況でも。

 どんな状態でも。

 しかも、それだけではない。

 俺が「俺だ」と返事をする時、その態度があまりに堂々としているために、人々は俺に高貴さを感じるらしい。

 馬鹿らしいようだが、その副作用的な効力は、最早超能力と呼んでもいい程のレベルとなっている。

 その一例を、これから述べていこうと思う。

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